麻酔切れ

目を開けて 周りを見て 直前と繋がらない風景

夢現 ひとりぼっち 無人島 それ自体の孤独

 

分かりもしなかった痛みが 少しずつヒリヒリと

忘れていたかった想いが 少しずつジリジリと

 

目は覚めてはいるけれど どこにもいないような浮遊感

息はしてはいるけれど どこか朧気な現実感

 

分かりもしなかった痛みが 少しずつピリピリと

忘れていたかった想いが 少しずつしみじみと

 

明くる朝 目が覚めて 昨日と地続きの臨場感

夢心地 願い下げ 痛気持ちいい これが現実だ

 

分かりもしなかった痛みが 昨日よりはっきりと

忘れていたかった想いがのしかかる はっきりと

分かろうとしなかった優しさ 身に染みるしみじみと

忘れたくなかった日々が 少しずつ蘇る

 

あのままの方が良かったか 分かるのはこれから

痛みと重力を感じて

ベッドに腰掛ける 歩いてみるために